Tierra Eco & Future Summt 2022 開催レポート

初開催となった2022年のサミットは、感染症対策や母子保健などグローバルヘルスの専門家である國井修先生(公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金CEO)にご講演いただきました。

國井先生ご自身が現地で撮影してきた写真をたくさん使い、世界で起こっている現状を、小学生にもわかりやすい言葉でお話してくださいました。

・紛争が続く地域で、栄養失調になっている子どもたち
・自然災害で大けがを負っても、医療を受けることもままならない人々
・多数の死者を出した国でのコロナ禍の状況
・コロナよりも圧倒的に高い致死率を持つHIVで苦しむ人々のために開発されたワクチンと薬が多くの命を救った事実

視聴した生徒からも保護者からも「知らなかった」「驚いた」という感想がたくさん寄せられました。

質疑応答では、代表生徒の質問の一つ一つに國井先生がご自身の体験を交えながら丁寧に回答いただきました。その一部をご紹介します。

Q.國井先生にも言語の壁はありましたか?その壁をどのように乗り越えてきましたか?

A.最初、言葉の壁は大きかったです。でも大切なのは、伝えようとする気持ち、そしてわかろうとする気持ちです。皆さんも海外に行ったり、地域で外国の方を見かけたら、思い切って話しかけて、何でもいいから相手の話す言葉をひとつ覚えるようにしてください。僕もこれまで色んな国の言葉を勉強しましたが、その中で最初に覚えるのは「ありがとう」という言葉と「おいしい」という言葉。「おいしい」と言った後に「これは何?」と聞くことで食べ物の名前も覚えられますよね。言葉は勉強だと思わないで、コミュニケーションを楽しむことです。間違えてもいいから、とにかく話してみる。コミュニケーションを積み重ねることで、言葉の壁は超えていけます

Q.先生のように海外で働くために大切なことは何ですか?

A.一番大切なのは自分自身を磨く、ということです。自分が海外で何か役に立てるのか、貢献できるのか、そのために必要な知識を得ておくことも、言葉を使えるようにしておくことは大切です。英語で会話ができることはもちろん、コミュニケーション力はとても大切で、自分のことを話すだけでなく、人の話をちゃんと傾聴できることも大切。あと専門性も必要です。大学生になって専門性を身につけて行くときには、自分は何が好きなのか、興味があるのかを考えて、磨いていく。大学で行きたいところに行けなくても諦める必要はありません。社会人になってからも、自分の専門性は十分磨ける。好きなことであれば頑張れるので、まずは自分が何が好きなのか、興味があるのか考えてみてください。

内戦の続く国での医療支援は命の危機も伴います。それでも重装備で患者の持つ現場に向かう國井先生。
子どもたちの質問にも笑顔で対応してくださいました。